2019/10/31
訪問介護事業所で算定できる加算率の高い加算の一つに「特定事業所加算」があります。
サービスの質の高い事業所を積極的に評価する観点から、人材の質の確保やヘルパーの活動環境の整備等を行っている事業所に加算がされる制度です。
特定事業所加算にはⅠ~Ⅳがあり、体制要件と人材要件・重度対応要件を整備することが必要で、満たす項目によって算定できる加算が異なります。加算率は以下のようになっております
Ⅰ…20%、Ⅱ…10%、Ⅲ…10%、Ⅳ…5%
各種要件の詳細に関しましてはお役立ち資料に「特定事業所加算取得ガイドブック」をご用意しておりますのでそちらでご確認ください。
※実際の取得や申請に当たりましての詳細な部分につきましては事前に指定権者へ直接相談くださいませ。
お役立ち資料へ
特定事業所加算を算定している事業所の割合は全体の約4割程度といわれております。
6割の事業所では算定しておらず、算定している事業所としていない事業所では同じ訪問回数でも最大で20%の売上の差が出ているということになります。
それでは特定事業所加算するとどのようなメリットが有るのか、ということをまとめました。
「処遇改善加算」によって増えた収益は職員の処遇改善に当てなければならないと決まっていますが、
特定事業所加算によって増えた収益は事業所の自由に使うことができます。
職員の給与や賞与にあてたり、新規ビジネスの投資にあてたりなど様々な用途で利用することが可能なため安定した経営を維持することができます。
そもそも質の高いサービスを提供している事業所を評価するための加算なので、算定している=質の高いサービスを提供する事業者という証のひとつにもなります。
取得にあたって必要な、個別研修や定期的な会議の開催などにより、介護技術の向上や利用者情報の共有を行うことによってますます質の高いサービスを提供するための体制を作ることができます。
2019年10月から始まる特定処遇改善加算のなかでも加算率が高いⅠを算定できます。
訪問介護の特定処遇改善加算Ⅱは4.2%の加算率ですが、Ⅰになると6.3%の加算が受けられます。これによりさらなる処遇改善をすることができます。
一方、メリットが多い加算ではありますが算定に際して不安があるというお声も耳にします。具体的には、
【ケアマネジャーから紹介が減るのではないか】
訪問介護の特定事業所加算の場合は利用者負担が増えることから受けられるサービスが減ってしまうことを懸念されるケースがあります。
そういった心配は確かにありますが、実際に特定事業所加算を算定された事業所様へのヒアリングの結果、算定前後で利用者を切り替えられた、という事例はほとんど聞くことはありませんでした。
【留意事項の文書での伝達及び報告に手間がかかる】
これは特定事業所加算を算定する上での一番のハードルになる部分です。
その他の要件に関してはすでにクリアしている項目もあると思いますが、この要件に関しては新たに整備を行う必要が出てきます。
事業所に立ち寄って指示を確認してから訪問へ向かう方法や、メールやSNSを使って指示・報告をするケースが一般的ですが、サービス提供責任者やヘルパーにかかる負担は少なくありません。
さらに実地指導の際はしっかりと指示・報告が文書で保管されているかという点は特に厳しくチェックされます。
このような悩みを解決できるのがICTです。介護現場にあったICTツールを活用することで指示・報告の負担が大幅に軽減できます。